本実務研修会では、話題の書『グローバル化経済の転換点』(中公新書、2009年)の著者である中井 浩之氏を講師にお迎えします。
冷戦終結から2007年秋のリーマン・ショックまでの世界経済の成長は「アリとキリギリス」に喩えることができます。米国を初めとする内需主導で経済成長を遂げてきた「キリギリス」諸国と、その需要を支えるために輸出主導で成長してきた中国・日本などの「アリ」諸国が、グローバル化の進展とともに相互依存を深めつつ経済を成長させてきました。
リーマン・ショック以降、この図式は崩れつつあります。「キリギリス」諸国の多くが債務の削減などの経済の構造調整を迫られる一方で、中国などファンダメンタルズが健全な新興「アリ」諸国は、外需が伸び悩む中でも内需を拡大することによって経済成長を維持しています。そのような中、「年老いたアリ」である日本では内需も拡大せず、景気の低迷が続いています。
一方で、世界経済のグローバル化に伴って進行した企業の多国籍化には変わりはなく、日本企業の多くは海外での事業を拡大しています。その流れは、リーマン・ショックの前から、製造業からサービス業に拡大しつつありましたが、今後もさらに加速するものと見込まれます。
このような世界経済の転換点を迎え、今後、日本企業がアジアなどで事業を拡大していくための課題は何なのか、わが国の不動産投資産業にとってアジア市場の意味合いは何なのか、統計や実例をもとに考察します。
是非ご参加ください。
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