証券化対象不動産の評価を目的に、不動産鑑定評価基準が5年ぶりに改正されました。今回の改正は十分な説明責任と比較性の向上をめざした広範囲なものですが、DCF法による評価の品質管理をいかに図るかということが重要なテーマのひとつとなっています。

先日当協会で刊行しました『不動産DCF教本』は、アセットマネジャー、不動産鑑定士、レンダー等がDCFソフトを共通のプラットホームとして使うことによって、評価過程の有効な品質管理が行えるのではないかという考え方から生まれました。

入力管理、シナリオ管理、収支見積書の妥当性の検証とミスのチェック、収益費用項目の統一などに対応するための具体的な方法論を提案しています。また、オフィス以外のアセットタイプである、賃貸住宅、店舗、倉庫、ホテルについても、実例をあげて評価の方法を解説しています。不動産DCF研究会（委員長：川口有一郎早稲田大学大学院教授）の労作であります。DCF法品質管理のひとつの解決策を提示できているのではないかと考えます。

本年7月17日（火）に『不動産DCF教本』の基となる『不動産DCF教本（試案）』を用いて、主に不動産鑑定士やアセットマネジャーを対象に「第１回不動産DCFセミナー」を開催させていただきました。当日は約300名の方にご参加いただき、DCF教本（試案）及びセミナーにつきまして、参加者よりご好評の声を多数いただき、レンダー向けに同様のセミナーをぜひ開催してほしいとのご要望もいただきました。
こうしたご要望にお応えすべく、今般、レンダーを主な対象者とした「第２回不動産DCFセミナー」を開催する運びとなりました。皆様のご参加をお待ちいたしております。